高知県東部に位置する安芸市は、
南に雄大な太平洋、市内を安芸川、伊尾木川の2つの川が流れ、
北には山々が連なり、海・川・山・里・町が揃っています。
温暖な気候、長い日照時間という恵まれた環境、
豊かな自然や食文化が相まって様々な文化が沸き起こり、
その積み重ねが歴史となって、幾多の偉人を輩出しています。
土佐藩士から東洋の海上王になる
幕末の激動の中を駆け抜け、土佐藩士から実業家に転身し、三菱を創業した岩崎彌太郎は、1835(天保5)年、井ノロ村(安芸市)で生まれました。子どもの頃から明敏な頭脳の持ち主で、12歳で13代藩主・山内豊熈(やまうち とよてる)公に漢詩を献じて褒美をもらう程でした。
安芸市の郊外、井ノ口一ノ宮に彌太郎生家が今も残っています。主屋や蔵など7点は、国の登録有形文化財に登録されています。
安芸観光情報センターは三菱創業150周年に合わせて、2020(令和2)年にリニューアルオープンしました。
全長約13mのVRシアターでは岩崎彌太郎の生涯を、タッチパネルではゆかりの地や偉人などを知ることができます。
野良時計は、1887(明治20)年頃、土地の地主だった畠中源馬氏が、父親からプレゼントされた米国製八角形の掛時計を何度も分解しては組み立てて時計の構造を学び、歯車から分銅まで手づくりでつくりあげた時計台です。1996(平成8)年、高知県で最初に国の登録有形文化財に登録されています。
1892(明治25)年、土居村(安芸市)生まれ。日本の作曲家の第一人者で、すぐれた才能をもち、大正から昭和にかけての作品は、多くの人々に歌い継がれています。
安芸市内の10カ所に龍太郎が作曲した童謡の曲碑が建てられています。
「叱られて」の曲碑
伊尾木洞は海に堆積された約300万年前の地層が隆起し、波によって削られてできた海食洞で、様々な化石をみることができます。
洞窟を抜けた先は、40種類以上のシダ植物が生息し、幻想的な緑の世界が広がっています。これらシダ群は、国の天然記念物に指定されています。